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supernova

15年前に叔父の癌を切った老外科医が、私のせいです、と項垂れていた。
私達も、おそらく老外科医自身も、彼のせいだとは思っていなかった。
それでも自分のせいにしてほしいと老外科医は思っていて、そんなわけないじゃないですかと云いながら私たちも、誰かが彼のせいにするのを待っていた。
彼はヒロイックで、それこそ私達が必要としているスタイルだった。


ドキュメンタリーばかり観ている。
ラモーンズの、ブコウスキーの、ジミ・ヘンドリクスの、クラウス・キンスキーの、ダリの、雪村春樹の、かすみ果穂の、大塚咲の。


骨の髄から脳まで癌の毒はまわっていただろう、という話が誰からともなく出て、そういわれれば、と従兄弟の奥さんが晴れた日の真昼に叔父が仄見せた狂気について、遠慮がちに話した。
その狂気を古井由吉のように書きたい、とかつての私なら思っただろうか。
今日の私は従兄弟の奥さんの手の指や脚の腱を見つめていた。


歯を治した。
あとは鼻だ。
誰かが待っている。
白くぼんやりと誰かが待っている。


心臓が止まる数時間前、全身の痛みに悶え苦しむ叔父の身体には、噎せ返る生命があった。
叔母が泣きながら身体をさすっていたので、外に出て煙草を吸った。
外来受付脇の便所で放尿しながら、スーパーノヴァ、と独り言が出た。


おじいさんになって死ぬのは嫌だな、と長男が云った。
死ぬのは悪いことじゃないわ、と妻が云った。
次男は黙っていた。
私も黙っていた。
  1. 2010/02/09(火) 01:29:17|
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