スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

theatrical theatre

眠るたびに、同じ夢の続きをみている。
中断した夢を引き摺った昼は、やがて夢の中断に繋縛されて引き摺られる。
現れては私を笑うのはあの女に決まっている。
ついさっき、ダレル「黒い本」を読みながら微睡むと、お帰りなさい、と云いやがった。
帰って来なきゃ忘れてたかも、と。


---


どういう人と結婚すればいいかわからないんです、と云った会社の女の子に、男性には個性なんてないから誰と結婚しても同じことだよ、と云ってから、右眼の奥に痛みを覚えた。


---


風景を描写しないのは、わざわざ狂うのが恥ずかしいからで、女の貌を針金で造ることができたら、舌と指を研いで、なぞっていればいいだけだったのに、あの女の顔は針金で出来てはいなくて、見つけるまでは風景が確かにあった。


---


覚えてるわよ、と女は黒い髪に貌を半分隠して、最後に会ったときの髪の色を忘れてたよ、と夢の幕間に、電車の窓に流れる風景から、声がして振り向くと女は舞台の上で、眉根を寄せて苦しげに息を漏らしていて、また芝居をしている、と呆けた声を出して電車を降りた。


---


ずっと云いたかったんだ、魚が腐った匂いがする、だからここに帰ってきたんだ、と、私はまだ云っていなかった。
女の隣に、見慣れない痩せた女がいて、こっちを見ている。
名前を教えてくれないかな。
芝居を続けたままでいいから。
スポンサーサイト
  1. 2011/06/14(火) 02:57:51|
  2. diario
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8

Maria Medianoche


一万人が死んだ一つの事件があって、そこには一万人が死んだ一つの物語と一人が死んだ一万の物語が並行している。どちらにも、音楽はない。


一万人が死んだ一つの物語の前で、私は一万人の死と、死ななかった私の死と、死ななかった私の息子たちの死を、経験した。想像したのではない。経験したのだ。
死は現実という表層とは無縁だった。


一人が死んだ一万の物語の前で、私は沈黙した。
ハレの日々に浮き立つ衆愚と同じ目線に、否応なく立たされることだけが耐え難かった。


一万はおそらく二万以上だが、行方不明者の生存を信じることを、妄執とは云いたくない。
己の生存を信じることを、私は妄執と呼ぶ。
妄執のまま愛を希望を捏造するのが衆愚だ。


犠牲者は決して供犠ではない。
生き残った者が供犠とならなければならない。
未来の日本への、ではない。
ここにいながらここから外へ出ることへの供犠だ。


そしていつも供犠は猥褻でなければならない。
  1. 2011/03/27(日) 03:29:51|
  2. diario
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

happiness is a warm gun

詩を書いていないから詐欺師になれなかった一年が過ぎた。
空の蒼さは冬の夜のもので、シャガールの空だと云ったのは若い女だった。
降らなかった雨が乾いた路を、凍えた足で滑っている。近づいて、遠ざかる、蒼い雪。



面会室の硝子越しに現れた男はまるまるとふとっていて、「FBI」と胸に大書されたトレーナーを着ていた。
書いたものを読んでもらいたい、大勢に読んでもらいたい、と男は繰り返して、お前だけが頼りだとか云われたら嫌だな、と思っていたら、お前だけが頼りだ、と男は云った。
何かいい仕事はないか、と男に訊きかけたが、やめた。



ひとつになる、という幻想を額の上に乗せるとき、闇を背景にした蛞蝓の交尾がぼんやりと浮かび、黄味を帯びた乳白色が溶けて拡がると、緩やかに細胞がほどけていき、核をもった原子に分かれ、ふざけたように衝突して薄い熱を帯びながら、誰とも融け合っていないのだと、闇にばらまかれて眼が覚めたものだった。
本当はね、理想は食していただくことですから、と云ったのも若い女だった。
身体の奥に入って、中から喰い破りたい、と云ったのは私だったが、中で溶けて留まりたかっただけなのかもしれなかった。



粘膜が乾いた辻に、風が鳴る。
明日吐く血の凪に、音が吹く。
生温い銃の幸福に似て。
  1. 2011/01/14(金) 01:16:29|
  2. diario
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

If I Was Your Vampire

肛門を指で解しながら、歯応えのような快感を感じていた。
埋めると膣が拡がるのが見えた。
今月東京拘置所に移送された男から、ほんとこんくらいやで壁、と指で示されたのは、私もその男も16歳の頃、もう17年も前で、こんくらい、よりは厚いな、と思いながら抽送を繰り返していた。耳に音は遠かった。


-----
あの女が2年前まで鶯谷にいた、という情報を、どこで見たのかさえも覚えていない。
情報ではなく女を追ってきたんだ、と駅前で煙草を吸っても、女を追う己が見つからない。
あの女ではない女から二本抜いた指をなめて、赤い、玩具のようなロープできつく縛った。
一本使ってもう一本を足すときにどの状態にあればいいか、という感覚さえ忘れている。
背中にできた醜い縄の瘤を隠すように鏡の前に立たせた。
見える? と訊いた私には何も見えていなかった。


-----
また蝙蝠が出たので、男がやってきた。
次女がふしだらで困る、とか、鼠の国で鼠を取るのは大変なんです、とか、今夜はハクビシンを待ちぶせなきゃいけないんです、とか、新宿で鼠の繁殖がひどいのは、きまってホストクラブかキャバクラなんですよ、とか、寡黙な男から話を聞き出せるほど一緒にいた。
そうして家の中と外の境界を塞いでもらっても、また蝙蝠は私の傍にやってきた。
蝙蝠だけは私を求めてくれている。
という自嘲には酒さえあればいい。


-----
ここ2ヶ月で管野しずかさんのビデオを39本観た。
40本と概算できないのが私の病痾だが、病痾だけがきっと、私のアリバイだ。
今夜は、記憶している身体が縛られて吊るされていくのを、5m離れて見ていた。
5m離れたところに届かない手には、血管が浮いていた。
血管を噛んで、見ていた。


  1. 2010/11/20(土) 03:56:57|
  2. diario
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ouroboros

家から蝙蝠を追い出すことに反対することが、自分がこの家にいることに反対することに重なって、避けようとするよりも、みっともない思いが生じて、殺さずに追い出す業者を探した。


見積に訪れた男はスチルウールのような髪をした初老の男で、ただじっと話を聞く技倆が眉間から滲んでいた。
首都圏全域を担当しているとのことだったので、歌舞伎町にも蝙蝠はいますか、と訊いたら、ええ、いまさっき、出ていってもらいました、と笑む。
じゃあお願いします、と6万円を渡した。


長男の名を「環枢(わたる)」と付けた。もう7年前だ。
区は横にすると凶でしょう、普通は付けないよ、君らしいね、と笑ってくれたのは師だった。
人に訊かれると、枢が環で、中はわからないんだよ、皆既日食みたいなもんさ、と応えていた。
ここ数日、15年ぶりに一から曲を書いて、浮かんだタイトルが「Ouroboros Nocturno(夜のウロボロス)」だった。
この環か、と気付いた夜は、誰にも秘密にする必要がない。


(風俗=人の谷を「わたる」風、という意味もあった気もするが、覚えていないし、そうであってもいい)


私は蝙蝠ではない。蛇だ。
蛇でなければあの白い身体を縛ることができないからだ。
蛇だ。蛇だ。
犯して、喰い破って、塗れて、窒息する。
  1. 2010/10/31(日) 23:34:17|
  2. diario
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
次のページ







soy


Aqui esta:
アスルサングリエント

Me llamo:
慈姑(クワイ)

A mi mismo:
この夜、凶なきか。
日の暮れに鳥の叫ぶ、数声殷きあり。
深更に魘さるるか。
あやふきことあるか。

twitter

hydlage reload

cronica

archivo

comentario

tb

buscar

calendario

03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

conexion

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。